隠れLAUSARなのか?
おすすめ度
購入のしやすさ 9/10
中古市場で見かけるカメラTaronは以前よりも数が減りましたが、富岡光学製LAUSARの銘板ではないTaronar付属モデルは、4000円以下で取引されています。
使いやすさ 6/10
- フランジバック調整が必要です。
- 今回ヘリコイドの移植は諦めましたので、何らかのヘリコイド機構が必要です。
- 絞り調節がカメラ側根元にあるため、マウントアダプターのデザインによっては、操作性が悪くなります。
- ピントの山は比較的分かりやすいレンズです。
- レンズのコーティングがなされており、耐逆光性は決して低くありません。しかし、真逆光や白の反射では、フレアが発生します。
- マウントアダプターを含めたレンズは小型・軽量です。気軽に持ち出せるレンズです。
現代レンズと比較した描写の独自性 7/10
- ぐるぐるボケが出ます。(加点)
- 周辺光量が落ちます。(加点)
- 逆光では滲み、フレアが発生します。(加点)
- 光が少ない環境では、一切メリハリのない描写になります。(加点)
- 繊細な描写ですが、息を呑むほどの描写ではありません。
- 一段以上絞ると、かなりシャープな像になります。
総合 7/10
比較的買いやすいカメラで、インターネット上では修理記録などが散見されます。分解難易度は蛇腹カメラほど低くはありませんが、取り外しが特別難しいものでもありません。通説に因れば、富岡製ではなく泰成光学製ですが、明確には不明です。構成は変形Triplet型の様ですが、これも確証がありません。スペック的にはTaron 35のLAUSAR 4.5cm F2.8と酷似しており、描写も類似しています。おそらく、LAUSAR名ではないけれども、富岡光学製 4.5cm F2.8だと推察します。
このモデル
日本光測機工業株式会社製(後にTaron社へ名称変更)のTaron Ⅲという、1958年に販売されたレンジファインダーカメラに付属していたレンズです。上級モデルには、ダブルガウス型のF2も存在していました。45mm F2.8と聞くと、Tessar型を想像します。しかし、Taron初期モデルには、同様のスペックの富岡光学製LAUSAR 45mm F2.8が搭載されていたことから、1群目が3枚貼り合わせの、3群5枚 変形Triplet型ではないでしょうか?この様に考えると、容赦ない背景の暴れ具合も納得がいきます。
撮影準備
3Dプリンター出力
直系51.00 mm 高さ10.70 mmのチューブに、27.3mmの穴をあけ、M39ネジを取り付けてマウントアダプターとしました。
ヘリコイド付きアダプター
パターン1 L39-LM + LM-NEX(マイクロヘリコイド付き) :L39をLeica Mマウントに変換する方法
利点
- 絞りの表記などを中央に揃えられます。
パターン2 M39-M42 + M42-M42(10-15mm)+M42-NEX(プレート) :M42ヘリコイドアダプターを用いる方法
欠点
- レンズをマウントするとパターン1と比べ、180°反対になります。
パターン3 L39-LM + TECHART LM-EA9 :AF化する
利点
- AF化が可能です。
欠点
- このレンズの特徴である、軽量&ノブの迅速な回転によるフォーカシングによる機動性が喪失します。
- TECHART LM-EA9は高価です。
- 重くなります。
撮影(作例)
開放では周辺光量が落ち気味です。
まるで、ダブルガウス型のように、ぐるぐるボケが出てきます。
少し絞ると、かなりシャープになります。
光があると色のりは良好です。
光量が少し減ると、色が怪しくなってきます。
耐
逆光性能はそれなりにありますが、滲み・フレアが発生します。
ありがとうございました。