A.Schacht Ulm S-Travegon R 35mm F2.8

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Sonnarから変身したRetrofocusレンズ

おすすめ度

購入のしやすさ 3/10

元々、製造本数がそんなに多く無かったところに、Schachtの人気が出て、流通量は少なめです。まだ、価格の急激な高騰は起きていないため、M42マウントでなければ1万円程度で購入可能かと思います。

使いやすさ 8/10

  • 最短撮影距離0.5m以下です。これは現代の感覚では、若干長めです。ヘリコイドアダプターを用いることで、対応します。
  • 外観は派手せすが、操作性はクセが無く、使いやすいです。
  • ピントの山もつかみやすく、撮影しやすいレンズです。
  • フィルター径49mmは、オールドレンズでは標準的ですので、各種フィルターを使用する際の支障はありません。
  • Exaktaマウントですので、M42に比べれば、汎用性は僅かに下がります。
  • 分厚いレンズが入っているため若干の重めです。

しかし、総じて非常に使いやすいレンズです。

現代レンズと比較した描写の独自性 6/10

  • 派手な収差は出ず、破綻しません(減点)。
  • Sonnar譲りの線の太い描写です。
  • ボケは大変自然です。
  • 現代レンズほどの解像感はなく、優しい写りです(加点)。
  • 現代レンズやダブルガウス型で表現される、抜け感(爽やか)は皆無です(加点)。
  • 厚いガラスを通した濃厚な色で、ロシアンレンズの対局にあるようなコッテリとした描写をするレンズです(加点)。

総合 7/10

私が、現在所有している中で35mmを1本だけ選べと言われたら、このレンズを選択します。この濃厚な写りが大好きです。Sonnarファンの人には、絶対にお勧めのレンズです。しかし、巷では、Planarや、透明感の高い描写の方が人気があることは十分承知しています。なので、おすすめ度は控えめな7です。

このモデルとこの個体について

Ludwig Bertele博士が、A.Schacht 在籍中にSonnarを広角化して設計したレンズで、3群7枚構成です。この点では、Jupiter-12と同じようにも見えますが、レンズ構成は全く異なり、こちらの方が、よりSonnarらしい設計に見えます。

spiralさんの記事出品者のひとりごと・・さんの記事によれば、シルバー鏡筒の35mm F3.5が前期型で、前期型は、2群目が2枚貼り合わせの3群6枚の構成のようです。

この個体は、後期型ゼブラ柄のExaktaマウントモデルです。若干のコーティング損傷があるものの曇りのない個体を、ebay経由でドイツの業者から、€60で購入しました。

撮影準備

カメラへの接続はEXA-LM, LM-NEXのアダプターを連結して行いました。

撮影(作例)

F2.8ですので、開放ではぼかすことが可能です。

このボケは、大変自然です。

絞ると、十分シャープです。

この色のりの良さは、Sonnar譲りですね。

木漏れ日から出来るボケは、円形にはなりません。

本当に使いやすいレンズです。

アンダーでも、潰れずに結構粘ります。

今日も、いっぱい遊んでもらえました。

ありがとうございました。

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