Olympus E.Zuiko 45mm F2.8 (ACE)

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最少構成のSonnar型

おすすめ度

購入のしやすさ 8/10

Olympus ACEのレンズ4種類は、既製マウントアダプターが販売されていないため、人気がありません。比較的、安価な価格で販売されています。このACEのレンズ群の中で、中古流通量が多く最安価なのは、カメラに標準搭載されていた、この45mmになります。

使いやすさ 5/10

加点

  • マウントアダプターを含めても、非常に小型です。
  • 軽量で、取り回しの良いレンズです。

減点

  • 市販マウントアダプターがありません。何らかのものを用意する必要があります。
  • 最短撮影距離0.8mは、使いにくい仕様です。ヘリコイド付きアダプターで対応する必要があります。
  • 絞り制御が位置がレンズ先端に位置しており、絞りを動かすと、ヘリコイドが移動します。これは、E.ZUIKO-W 35mm F2.8と同様です。
  • 1段ごとの絞りで、開放からF16まで6段階しか選択できません。これは、E.ZUIKO-W 35mm F2.8と同様です。
  • 純正メタルフードを着用すると、絞り位置の視認性が落ちます。

現代レンズと比較した描写の独自性 8/10

  • 開放では、周辺減光が起こります。
  • 開放では、Sonnar型らしい、とろけるボケです。
  • ぐるぐるボケが出にくい様に制御されていますが、開放では怪しく渦巻きます。
  • 斜光から、フレア&ゴーストが発生します。
  • Carl Zeiss Sonnar 50mm F2よりも淡白ですが、それでも色のりは、良いレンズです。

総合 8/10

マウントアダプターが無いため、万人向けではありません。しかし、マウントアダプターの製作は、比較的難易度が低めです。明らかにOMマウントではない、Zuikoレンズが味わえます。

このモデル

Olympus ACEは、公式ページによると、1958年に販売されたレンズシャッターカメラです。

このカメラには、E.ZUIKO 45mm F2.8が標準で付属し、E.ZUIKO-W 35mm F2.8とE.ZUIKO-T 80mm F5.6、80mm F4が交換レンズとして販売されていたようです。いずれもE.ZUIKOなので5枚というのは分かります。robert_okuさんの記事では「Sonnar型」とされていました。助かったことに、chanchentanさんが、書籍の複写を上げてくださっています。これによると、4群5枚です。一見すると前軍がダブルガウス型のようですが、後群が明確に異なります。2枚目と3枚目の間を空気レンズと考えると、Nippon Kogaku Nikkor-H·C 50mm F2 (SマウントL39マウント)や、Carl Zeiss Sonnar 50mm F2に酷似します。このレンズをSonnar型と分類します。

撮影準備

マウントアダプター

3dプリンター出力

Part1でフランジバックを11mm延長し、L39としました。

Part2でレンズが外れないように固定します。これには、カニ目レンチが使える穴を開けています。

Part3をねじ込むことで、確実に外れないように固定します。これには、カニ目レンチが使える穴を開けています。

これらは、OVERTURE PLA Plus (Professional) フィラメントを用いました。

L39-NEXマウントアダプター

このレンズはL39マウント(ライカスクリューマウント)です。

以下の3つでSONY Eマウントに結合可能です。

しかし、TECHART LM-EA9 は重く、AFも爆速ではありません。パターン1のL39-LM + LM-NEX(マイクロヘリコイド付き) :L39をLeica Mマウントに変換する方法を用います。


パターン1 L39-LM + LM-NEX(マイクロヘリコイド付き) :L39をLeica Mマウントに変換する方法

利点
  • LM-NEX のヘリコイドが使用可能なので、最短撮影距離を短縮できます(5mm繰り出しタイプで最短撮影距離を40cmほどまでに短縮可能)。
  • 絞りの表記などを中央に揃えられます。
欠点
  • パターン2よりもヘリコイドの繰り出し量はやや少なめです。
  • ヘリコイド繰り出しの操作がややぎこちなく、細かな調整は難しくなります。

パターン2 M39-M42 + M42-M42(10-15mm)M42-NEX(プレート) :M42ヘリコイドアダプターを用いる方法

利点
  • 撮影距離、30cmにまで短縮可能です。
  • パターン1よりも、繰り出し操作において、細かな調整も容易に行えます。
欠点
  • レンズをマウントするとパターン1と比べ、180°反対になります。

 

パターン3 L39-LM + TECHART LM-EA9 :AF化する

利点
  • AF化が可能です。
欠点
  • このレンズの特徴である、軽量&ノブの迅速な回転によるフォーカシングによる機動性が喪失します。
  • この組合せでは最短撮影距離の短縮は僅かです。
  • TECHART LM-EA9は高価です。
  • 重くなります。

今回はパターン1を用います。

撮影(作例)

開放では周辺光量落ちがあらわれます。

Sonnar型らしく、とろけるようなボケです。

ぐるぐるボケが出にくい様に制御されていますが、開放では怪しく渦巻きます。

斜光から、フレア&ゴーストが発生します。

色のりの良いレンズです。

少し絞ると、解像力が増します。

 

 

F8で、被写界深度は十分確保できます。

ありがとうございました。

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