謎の1/3フィルター
おすすめ度
購入のしやすさ 4/10
TENAXは比較的安価で、数多く流通しています。その中でも、DagorではなくDogmar装着モデルは、多く流通しており、安価な傾向です。
使いやすさ 2/10 (7/10)
ミラーレス機で使用することを考えた場合、レンズ+絞り+シャッターユニットを取り外す方が、楽です。しかし、Vest Pocket TENAXは前の四角いユニットと、これらが一体形成となっており、取り外しが出来ません。そこで、既成の絞りユニットを用いて、レンズ+絞りを再構築しました。以下、マウントアダプターを作成後の評価です。
- 軽量小型で、取り回しに優れます。
- 逆光には弱く、フードをしても、フレアが発生します。
- 開放F値4.5は、明るくはありません
- 今回はオリジナルユニットを使用しませんでしたので、絞り値が分かりません。
現代レンズと比較した描写の独自性 9/10
撮影時に、単なる純正保護フィルターと勘違いしていたため、1/3 Filterを使用した状態での評価です。このフィルター使用は、収差が派手になります。
- 周辺が非常に流れます。
- 非点収差が激しく表れ、ぐるぐるボケが多発します。
- フレアが大量発生します。
- フィルターのせいなのか、合焦面の平坦性がありません。
- 暖色系に転ぶ傾向があります。
総合 3/10 (8/10)
C.P.GOERZ BERLINの銘玉、DOGMARは焦点距離が長いものが多いです。75mmという画角のレンズは、TENAXから入手するのが手っ取り早く思えますが、これをミラーレスカメラに適応させるのは、大きな障壁を乗り越えなくてはいけません。なので、おすすめ度は3/10ですが、使えるようになると、かなり面白いレンズです。
このモデル
GOERZ BERLIN DOGMAR 75mm F4.5は、4.5×6 cm乾板用のカメラVest Pocket TENAXに付いていたレンズです。DOGMARの名前の通り、4群4枚のDialyte型でです。
購入したこのカメラはシャッターが壊れており、C.P. GOERZ BERLINと刻印されたフィルターが付いていました。保護フィルターかと思い、通常ですと外して使うのですが、今回は付着させたまま使用しました。
このフィルターに関しては、awane-photo.comさんが、解説されているように、フィルムパックと乾板との差を埋める凹レンズのようです。ですので、例示のように怪しい収差が出てきます。これも含め今回撮影しました。
撮影準備
TENAXからシャッターと絞りユニットを取り外そうとしたところ、一体形成されており、外せませんでした。そこで、市販の外周30mmの絞りユニットを用いて再構築します。
3Dプリンター出力
Parts1とParts2にレンズを固定します。Parts1とParts2で絞りユニットを押さえ込みます。
Parts4は絞りの調整溝を塞ぎます(オプション)。Parts4は無くても光漏れは起きません。
HoodとFront Capはフィルターに合わせてます。
内面処理
3Dプリンター出力品の内面は、アクリル塗料(ターナー色彩 アクリルガッシュ 暗黒ブラック)の塗布を行いました。
この塗布には、筆を用いるよりも、キムワイプか、ケイドライが向いていると思います。
ヘリコイド付きマウントアダプター
M42マウントで合焦操作をするために、M42ヘリコイド付きアダプターを用います。
撮影(作例)
フィルターによるものか、四隅が流れます。
開放では、非点収差が激しく表れ、ぐるぐるボケが多発します。
フレアが大量発生し、解像力が低下します。
フィルターのせいなのか、合焦面の平坦性がありません。
暖色系に転ぶ傾向があります
赤の発色は、苦手ではありません。
ありがとうございました。