滲みと、幻想的な描写だが・・・

おすすめ度
購入のしやすさ 3/10
Yahoo!オークションでかなり安価に購入しましたが、ebayではUSD 200以上で取引されています。また、流通量も潤沢ではありません。安価な良品を探すのは、難易度が高めです。
使いやすさ 3/10
- 専用のマウントアダプターが必要になります。
- 逆光に弱いため、フードが必須です。
- 合焦操作に必要な、ヘリコイドの移動量は多めです。
- 被写界深度が浅く、合焦操作が困難です。
- 開放F値4.5ですが、35mmセンサーでは想像以上に暗く感じます。
- F8以上に絞り込むと、回折現象が起きます。
現代レンズと比較した描写の独自性 7/10
- 線の太い描写です。
- 白は滲みます。
- フレアが多発します。
- 順光では、濃厚な色で描写されます。
- 逆光でボケが小さなバブルボケとして多発する、幻想的な描写になることがあります。
総合 3/10
流通量が少ないXPRESですが、6inch F4.5は、被写界深度の浅さも含めて、35mmフォーマットではかなり使いにくいレンズです。150mmの焦点距離と被写界深度の浅さなど、十分考慮する余地があります。
このモデル

無一居さんの説明によると、Tessarの特許を回避する目的で、Tessarの3群目を3枚の貼り合わせにして、3群5枚構成にしたものと、Tessarの特許失効後に、Tessar型にした3群4枚構成に戻したものが存在するそうです。
このレンズは、シリアルNOが126,***です。Camera-wikiでは1932年製に該当します。
- Tessarの特許期間が終了してから約10年後の製造ですので、Tessar型と考えるのが妥当な様に思えます。
- しかし、1929年製(Seral 114,***)で同じく5×4 inchをカバーする 6 inch F3.5が存在することから、このレンズ(F4.5)は、オリジナルの3群5枚構成(変形Tessar型)だと考えます。
撮影準備
3Dプリンター出力

Connectorにレンズを装着します。
ConnectorとHelicoidは一体形成でも問題が無いのですが、Helicoid以下の汎用性を持たせるため、あえて分けます。
HelicoidをBodyにねじ込む前に、StopperをBody内に入れておき、StopperはHelicoid末端にねじ込みます。
Bodyのカメラ側はPrakutina M42ネジになります。このヘリコイドだけで、無限遠~1m以下まで寄れます。
Front CapとHoodには、絞り制御環ピンを避けて設計します。
Rear Capは、レンズをConnectorに設置したまま使用します。
内面処理
3Dプリンター出力品の内面は、アクリル塗料(ターナー色彩 アクリルガッシュ 暗黒ブラック)の塗布を行いました。

この塗布には、筆を用いるよりも、キムワイプか、ケイドライが向いていると思います。
ヘリコイド
M42マウントで合焦操作をするために、M42ヘリコイド付きアダプターを用います。

撮影(作例)


F8まで絞っても、被写界深度は浅いです。


線の太い描写です。



白は滲みます。

フレアが多発します。

希にゴーストも表れます。


順光では、濃厚な色で描写されます。

逆光でボケが小さなバブルボケとして多発する、幻想的な描写になることがあります。


ありがとうございました。


