フレアか濃厚な色の二択で描写する5枚玉
おすすめ度
購入のしやすさ 9/10
その希少性から、ArcoのLマウントレンズ(Colinar 80mm)は、非常に高価で取引されています。しかし、Arcoが販売していたColinar 50mmが付属したカメラ(Arco35)は状態にもよりますが、千円~と非常に安価で流通しています。
使いやすさ 6/10
- マウントアダプターの作製が必要になります。
- ヘリコイドが無いため、ヘリコイド付きマウントアダプターで合焦させる必要があります。
- 耐逆光性能は低く、フードが必要です。
- 軽量小型です。
- 線が細く、ピントの山はつかみやすいレンズです。
現代レンズと比較した描写の独自性 8/10
- 逆光にめっぽう弱いレンズです。逆光でフレアが発生し、画面が白くなります。
- フレアを避けると、しっとりとした濃厚な色の描写になります。
- 色の傾向は、珍しい暖色系です。
- 弱いながらも、ぐるぐるボケが発生します。
総合 6/10(8/10)
カメラ本体から取り外し、シャッター幕を外す(もしくは固定する)手間はありますが、マウントアダプター + マイクロヘリコイド付きアダプターが用意できるのであれば、非常におすすめです。安価に入手可能で、独特なレンズ構成と、癖のある描写を得ることが出来るおすすめのレンズです。
このモデル
このレンズは、アルコ写真工業が1952-1957に販売していた、Arco35に付属していたレンズです。レンズ構成は、Camera-wikiから、3群5枚構成のようです。
一般的に「3群5枚」で「開放F値 2.8」は梅鉢型Super-Rokkor 45mm F2.8やLausar 45mm F2.8のような、1群目に3枚貼り合わせた、変形トリプレット型を想像します。
絞り位置は1群目と2群目の間で、3群目は薄い貼り合わせの無い1枚の凸レンズで、これと一致します。
しかし、凹の2群目に貼り合わせがありそうに見えます。とすると1群目が2枚・2群目が2枚・3群目が1枚の構成のように思えます。そうだとすると、むしろ、Culminar 85mm F2.8 に近い様な気がします。
C.はコーティングを示していると思われますが、シングルコートなのか、耐逆光性能は低いです。
撮影準備
チューブ
M42ヘリコイドアダプターの併用を考えましたが、フランジバックがM42に近く、無限遠確保のためにはベースプレートの厚みが1mm以下(0.9mm)になってしまいます。
そこで、L39マウントに合わせて、18.2mmのチューブにレンズユニットを結合するようにします。
フード
フードは必須です。
キャップ
チューブの内面処理
3Dプリンター出力品の内面は、アクリル塗料(ターナー色彩 アクリルガッシュ 暗黒ブラック)の塗布を行いました。
この塗布には、筆を用いるよりも、キムワイプか、ケイドライが向いていると思います。
ヘリコイド付きマウントアダプター
パターン1 L39-LM + LM-NEX(マイクロヘリコイド付き) :L39をLeica Mマウントに変換する方法
パターン2 M39-M42 + M42-M42(10-15mm)+M42-NEX(プレート) :M42ヘリコイドアダプターを用いる方法
パターン3 L39-LM + TECHART LM-EA9 :AF化する
今回は、合焦操作の観点から、パターン2の M39-M42 + M42-M42(10-15mm)+M42-NEX(プレート) :M42ヘリコイドアダプターを用いる方法を用いました。
撮影(作例)
逆光に弱く、すぐにフレアが発生します。
フレアから逃れると、強い色のりが見られます。
白は派手に滲みます。
興味深いのは、アンダー部が寒色系(もしくは青)に転び難い点です。
ぐるぐるボケも、僅かながら、遠景に出現します。
白黒だと非常に印象的な描写です。
ありがとうございました。