Schneider-Kreuznach Retina-Tele-Xenar 135mm F4

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青色が印象的な、美しい鏡筒のレンズ

おすすめ度

購入のしやすさ 9/10

一時期よりも中古流通量は少なくなりましたが、数千円~と安価です。

使いやすさ 6/10

135mmという焦点距離と、結構長い最短撮影距離がネックです。

現代レンズと比較した描写の独自性 4/10

現代レンズほどではないにせよ、ハイコントラストです。しかし、その中にも柔らかさのある、魅力的な描写です。このレンズの最も大きな特徴は、突如として現れるSchneider Blueを堪能できることだと思います。

総合 5/10

デッケルマウントの銘玉ではないレンズですが、魅力は、購入のしやすさ、外観の美しさ、Schneider Blueの醍醐味などです。135mmに抵抗がなければ、DKLマウントレンズの1本として、コレクションにおすすめ出来るものです。

モデル詳細

1960年代の工業製品を代表するかのような、非常に美しいシルバーカラーの外装が、特徴です。本モデルは、KODAK Retina Reflex S、Retina Reflex Ⅲ、Retina Reflex IV、Instamatic Reflex、Retina IIS、Retina IIIS用に、Schneiderが交換レンズとして販売したのです。これらのカメラの供給は、1958 年~1974年頃ですので、製造年もこの頃であると推察されます。レンズマウントは、デッケル(DKL)マウントと総称されるマウント形状です。 このレンズの構成情報は非常に少なく、調べるのに苦労しましたが、Camera-Wikiに小さな図で載っていましたので、上記構成図はそれをトレース拡大したものです。

LENS-DB.COMによれば、Schneiderは、Tele-Xenar 135mm F3.5を(1957年以降)Exaktaマウント用として、4群4枚のテレゾナー型で供給しています。しかし、1966年以降に5群4枚のテレゾナー型に変更されています。これはAlpaマウント用でも同じです。このRetina-Tele-Xenar 135mm F4は、5群4枚のTele-Xenar 135mm F3.5に酷似しており、F値の暗さは、後玉の小ささ(DKLマウントの開口部の小ささ)の影響を受けたものと、推察されます。

販売当時 Retina用とVoigtländerのBessamatic用の規格があり、交換性が無かったため、歴代オーナーによって、レンズのマウント部位の一部を削る等の調整が行われた個体も存在します。現在、デジタルカメラに装着する場合、DKLマウントアダプターを介します。市販されている安価なアダプターのほとんどでは、 Retina用とBessamatic用両方が使えるため、この点は全く問題なくなりました。

 

この個体

このレンズは、非常良いコンディションです。光学系にも特に問題がありませんでした。ヤフオクにで、1万円以下で購入しました。135mmという、不人気焦点距離、最短撮影距離4m、人気の無いDKLマウントです。

製造番号

本個体のシリアルナンバーは、8979,*** で、camera-wiki.orgのSchneiderの製造番号に因れば、1964年末~1965年年の年始頃に製造された個体のようです。約70年前の製品で、このように美しい外観を保っているのはすごいことです。しかも、デッケルマウントのレンズ共通ですが、絞りを動かすと距離計指標の幅が変化するギミックや、絞り込んだとき(ボディーから外したとき)の、絞り羽根が絞り込んだ形状の美しさなどに、惚れ惚れします。当時のドイツ製品の工業力の高さに驚かされます。確かに、レンジファインダーの(しかもフィルム!!)カメラで、135mmの焦点距離はかなり使いにくかったかもしれません。もしかしたら、この個体を購入したオーナーは、135mmという焦点距離の需要よりも、この美しい外観に惹かれて購入を決めたのかもしれません。そんな所有欲を刺激する外観です。

リアキャップ

本レンズは、KODAKオリジナルカプセルに入れて販売されていました。これは、リアキャップが付属しないことを意味します。KODAKオリジナルカプセルは悪くはないのですが、運搬性が悪く、防湿庫ではかさばります。

そこで、DKL用のリアキャップを探します。DKL用レンズリアキャップは、数種類存在すると思いますが、コストパフォーマンスから、メタルキャップをebayで購入することが多いです。今回もその様にしました。

撮影準備 マウントアダプター

本レンズはデッケルマウントなので、DKLマウントアダプターが必要になります。

SONY αマウント( Eマウント/ NEX )への変換は幾つかありますが、手持ちの3種類を下に示します。

    • DKL-NEX
    • DKL-LM LM-NEX
    • DKL-M42 M42-NEX

本レンズをDKL-LM LM-NEXと接続して、LM-NEXのヘリコイド付アダプターで、最大(5mm)まで繰り出すと、最短撮影距離が約1.7mになりました。

本レンズをDKL-M42 M42-NEXと接続して、M42-NEXのヘリコイド付アダプターで最大まで繰り出すと、最短撮影距離が約0.7mになりました。

今回は、DKL-M42 M42-NEXで撮影します。

撮影

十分に解像する、素晴らしレンズです。

いつものドッグランで、トイプードルくんに遊んでもらいました。

アンダー部は青に転びやすいです。RAW現像で十分に補正可能ですが。これは、Schneiderらしさですね。

何を話しているのでしょうか?

今日は暖かく、ドックランには犬も人も多かったです。

いっぱいワンちゃんに構ってもらえました。ありがとうございました。

今日も大満足でした。

 

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