TOKYO KOGAKU UV TOPCOR 53mm F2

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UNIマウントの呪縛

おすすめ度

購入のしやすさ 10/10

一時期よりも中古流通量は少なくなりましたが、数百円~と格安です。

使いやすさ 2/10

マウントアダプター、リアキャップ問題を解決すれば、標準レンズとして大活躍出来ると思います。

現代レンズと比較した描写の独自性 2/10

最新レンズの、カリカリな解像感は得られません。しかし、コントラストは、現代レンズ並に高く、すっきりとした描写です。ボケは綺麗です。解像感とシャープさ以外は、現代の普及帯レンズと遜色がありません。

総合 2/10

使えるようになれば(使える環境が整えば)普通に使えるレンズです。しかし、マウントアダプターを、購入調達してまで使う意義は少ないため、万人におすすめ出来るものではないです。

 

モデル詳細

LENS-DB.COMによると、東京光学(現在のトプコン)が、1963年から販売したTOPCON UNIの標準レンズで、4群6枚のダブルガウス型です。UV TOPCORの、UVとは紫外線を除去する、UVフィルターと同じ効果を持たせたバルサムを用いたためみたいです。

このレンズはUNIマウント(UVマウント)です。UNIマウントは、バヨネットマウントかつ、カメラ側から絞りを制御するものです。この複雑な機構は、デッケルマウントと同様に、マウントアダプターを制作する上で、非常に高い障壁になります。さらに悪いことに、TOPCON UNIは、比較的廉価なカメラで、用意された交換レンズが暗めのため、交換レンズは正当な評価を受けていません。これらの理由から、マウントアダプターが大手から販売されず、市場価値が2024年現在も、低いままです。

東京光学は、大日本帝国陸軍に要請されて、服部時計店精工舎の測量機部門を母体とし創立した会社です。現在は、民生用カメラこそ製造していませんが、計測・光学機器の先端製品を製造している会社です。もう少し評価が高くても良いとは思うのですが・・・。

UNIマウントの交換レンズ全般に、後玉が小さくなっています。これは、UNIマウントの構造の複雑さによるものなのでしょうか?このモデルは、この時代のレンズには珍しく、全群繰り出し式でピント調整をします。

このレンズの、最大の欠点はマウントですが、その次は最短撮影距離の長さです。

しかし、この最短撮影距離の表記は「0.7m」になっていますが、実際は、下の写真のようにもう少し寄れます(0.6mくらいです)。

レンズ個体

このレンズは、ヤフオクで数百円で購入したものです。

前後レンズキャップは無しでしたが(標準レンズのため、リアキャップが付属するのはレアだと思います)、絞り機構は問題ないとのことでした。

光学系には、カビとコバハゲがありましたが、簡単な前玉外しで除去できました。

コバハゲに対しては、対応していません(墨かアクリル絵具塗れば良いんでしょうが・・・)。

フロントレンズキャップは、フィルター径49mmの汎用品を用いました(下手をするとレンズ代より高価になりますね)。

リアキャップは、3dプリンターで出力しました。

 

マウントアダプター

自作

私は、2021年頃、ヤフオクで、UNI – ヘリコイド付き – SONYを数千円で購入しました。

出品者によると、UNIのカメラを分解し、マウント部と市販品M42ヘリコイドをパテで連結したものとのことです。このように、UNIマウントアダプターは、カメラのマウント部を流用した自作が、主要です。当時は、シャッターの壊れたUNIカメラが、千円程でヤフオクに出品されていましたが、2024年現在あまり見かけることが無くなりました。

 

UNI-SONY Eマウントアダプター

ヘリコイドは付いていませんが、UNI-SONY Eマウントアダプターは、Aliexpressで販売されています。

 

私は、ELEFOTOさんが、この試作品をメルカリで販売されていたものを購入しました。これは、非常に良いものです。絞り値が確認出来ないのと、ヘリコイドを付ける余地がないので、長い最短焦点距離を、そのまま使用しなくてはなりません。しかし、壊れるかもしれないと気にならずタフに使えるのは、利点です。

UNI-LMマウントアダプター

muk カメラサービスさんが、作製されていました! 絞り値が確認できそうにありませんが、カメラ側がLMマウントのため、ヘリコイドアダプターを挟み込めるます。これは、最短撮影距離を縮めるのに有利です。

参考までに、私はこのアダプターは所有し得ていいませんが、UNI – MDをもっていますので、UNI-MD + MD-LM + LM-ヘリコイド-NEXの3連で5mm繰り出したところ、最短焦点距離が0.6mから0.3mまで縮まりました。

 

撮影にあたって

今回は上記 UNI – ヘリコイド付き – SONYマウントアダプターを使用します。

このヘリコイドを最大延長すると、最短焦点距離が0.2mになります。

このレンズは、もともと全群繰り出し式ですので、気兼ねなくガンガン繰り出せます。

 

撮影

4月なのに、5月中旬並の暖かい日でした。

ダブルガウスらしい、空気感を演出するレンズです。

桜は満開です。

つくしも顔を出しています。春まっただ中です。

少し絞ると、シャープな描写になります。

今日もワンちゃんとご挨拶出来ました。

開放の近接では、怪しさ全開の面白いレンズです。

Carl Zeiss Planarとほどとは言いませんが、絶対に数百円ではない、価値のあるレンズです。

マウントアダプターだけが問題ですね。

最後まで見ていただいてありがとうございました。

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