仕様の呪縛で、合焦作業が高難易度のXenotar派生型
おすすめ度
購入のしやすさ 4/10
Olympus ACEのレンズ4種類は、既製マウントアダプターが販売されていないため、人気がありません。比較的、安価な価格で販売されています。このACEのレンズ群の中では、80mm F4とF5.6は、中古流通量が少なく、見つけ出すのが困難です。しかし、この二者では80mm F5.6の方が、見つけやすいですが、価格は高価(6千円~)です。
今回入手した価格は、次のようです。
35mm F2.8 > 80mm F5.6 > 80mm F4 > 45mm F2.8
80mm F4は希少すぎるため、安価過ぎるのかも知れません。
使いやすさ 4/10
加点
- マウントアダプターを含めても、非常に小型です。
- 開放F5.6は、思ったよりも悪くありません。
減点
- 市販マウントアダプターがありません。何らかのものを用意する必要があります。
- 最短撮影距離1.2mは、長めです。
- ACEの仕様で、ヘリコイド回転角度が少なく制限されています。この間で1.2m~無限遠を制御します。精密なピント合わせは難しい仕様です。
- 1段ごとの絞りで、開放からF22まで5段階しか選択できません。
現代レンズと比較した描写の独自性 6/10
- 開放で、四隅がけられます。
- 開放で、遠景にぐるぐるボケがあらわれます。
- 前ボケも円形を描いて、流れます。
- 絞り込んでも、周辺の解像が低めです。
- 逆光には弱く、フレア&ゴーストが発生します。
総合 6/10
マウントアダプターが無いため、万人向けではありません。しかし、マウントアダプターの製作は、比較的難易度が低めです。Olympusにしては珍しく、操作性・描写ともに、完成度(熟成度)が低いレンズです。しかし、フィルムレンジファインダー機に80mmを用意した、Olympusの意気込みは、評価に値します。
このモデル
Olympus ACEは、公式ページによると、1958年に販売されたレンズシャッターカメラです。
このカメラには、E.ZUIKO 45mm F2.8が標準で付属し、E.ZUIKO-W 35mm F2.8とE.ZUIKO-T 80mm F5.6、80mm F4が交換レンズとして販売されていたようです。いずれもE.ZUIKOなので5枚というのは分かります。chanchentanさんが、書籍の複写を上げてくださっています。これによると、5群5枚です。MIRANIDA AUTO MIRANDA E 105mm F2.8に酷似します。このレンズをXenotar分離テレ型と分類します。
撮影準備
マウントアダプター
3dプリンター出力
Part1でフランジバックを11mm延長し、L39としました。
Part2でレンズが外れないように固定します。これには、カニ目レンチが使える穴を開けています。
Part3をねじ込むことで、確実に外れないように固定します。これには、カニ目レンチが使える穴を開けています。
これらは、OVERTURE PLA Plus (Professional) フィラメントを用いました。
L39-NEXマウントアダプター L39をLeica Mマウントに変換する
ヘリコイド付きマウントアダプター併用で1m位まで寄れます。
撮影(作例)
四隅がケラレます。
このケラレは1段絞っても消えません。
ぐるぐるボケが出そうなギリギリの所で、制御されています。
フレア&ゴーストが現れます。
F11まで絞ると四隅のケラレは取れます。
1段絞るとXentarの素質が表れる、シャープな描写になります。
ボケは、素直です。
ありがとうございました。